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第二十七回 「劇処 シャッフルステージ」

金沢市民芸術村20周年記念演劇祭 
かなざわリージョナルシアター「劇処」も
いよいよ大詰めを迎えている。
実行委員として、昨年11月から運営に関わって
ようやくゴールが見えてきた。

金沢近郊で活動する12の演劇団体が
一堂に会することは
これまでなかったと言っても良い。
それぞれ、やっている芝居の内容も客層もバラバラ、
活動のしかたもそれぞれ、価値観もまちまち。

しかも、芸術村の企画なので
税金を使っての演劇祭。
自分たちだけが楽しむのではなく、
市民になんらかのかたちで
還元しなくてはならないという責任もある。

そのなかで、好みや価値観の違う団体同士、
落としどころを見つけていく作業は、
正直、最初は紛糾した。
「これ、やれるんだろうか?」
と不安になることもあったが、
話し合いを重ね、
役割分担をしていくなかで、
スムーズに運営できるようになっていったのは、
実行委員として集まっているメンバーが、
ふだん、自分の所属団体で
それぞれ制作に携わったり、

リーダーとして活動している人が
多かったということと、
何よりも、演劇を愛し、
芸術村を愛している人ばかりだったので
うまくいったのだと思う。

私は、制作班と、フィナーレ企画班に所属した。
12月18日(日)14時からの
フィナーレステージで何をするかという
話し合いの際に、
私がぜひ観たいと思う企画を
おそるおそる提案したのだが、
それが採用になって、
動き出すことになったのだ。

それが、シャッフルステージ。
演劇祭参加作品のなかから、
6作品をピックアップし、
そのなかの5分程度のワンシーンを
アトランダムにくじ引きで決めた
別の団体のキャストが、
当日台本をもらって、
ほぼぶっつけで演じるという
スリリングな企画。

同じ作品でも、演じる役者によって
こんなに変わるんだ!という驚き、
ふだん組んだことのない役者同士が
初顔あわせて演じる緊張感と、発見。

やるほうも、観るほうもドキドキわくわく。
その作品を観た人も、
観ていない人も楽しめる…
はずだと信じている。

演劇祭をただやりました、
で終わらせないためにも、
せっかく集まった団体同士が
お互いをよく知るきっかけになればいい。
なんなら、次回公演に客演してもらうみたいな
交流になるかもしれない。
ふだんお気に入りの劇団の芝居しか観ていないお客さまも
「ああ、こんな役者がいるんだ」
と知ってもらうきっかけにもなる。

そんな思いで、企画してみた。
当日、役者がバタバタあわあわしてしまったとしても、
それはそれで面白いと思っている。

お客さまが、どうとらえてくださるかは、
ふたを開けてみるまで分からないけれど、
これを書いている今は、
盛り上がることを信じて準備をしている。

当日は、全作品をご覧になった方への表彰、
全作品のダイジェスト映像の公開などもある。
そして、当日お楽しみのお土産付き。

こんなに盛りだくさんで、
入場は無料!
整理券は、芸術村事務所、
劇処ブースで配布しております。

演劇ファンの皆さん、必見です。
どうか、いらっしゃってくださいませ!

- Profile -

東 千絵

東 千絵 (ひがし ちえ)

「プロダクション・アーニング」代表。CM・番組ナレーション、イベント出演、司会、映画・ドラマの方言指導などを手がけるかたわら、地元の演劇集団K-CATに所属。
電子書籍「そうだったのか、日本食」など、ライターとしても活躍の場を広げている。

バックナンバー

10月1日 第三十七回 「またね!」
9月1日 第三十六回 「苦手は、悪知恵で乗りきった」
8月1日 第三十五回 「命の終わらせ方」
7月1日 第三十四回 「お酒と私」
6月1日 第三十三回 「千里の道も一歩から」
5月1日 第三十二回 「女ごころの最後の悪あがき」
4月1日 第三十一回 「ドラマオーディション体験記」
3月1日 第三十回 「逃げ道が見つからないので、きんかんの甘露煮」
2月1日 第二十九回 「そのドアを開けてはいけない」
1月1日 第二十八回 「正月支度」
12月3日 第二十七回 「劇処 シャッフルステージ」
11月1日 第二十六回 「乗っかりそびれたハロウィン」
10月4日 第二十五回 「女って、生きているかぎり闘い続けるものなのよ」
9月3日 第二十四回 手塩にかけたナレーターたちのデビュー
8月1日 第二十三回 大人、大人、言いすぎじゃないの?
7月5日 第二十二回 靴が見つからない
6月8日 第二十一回 地獄の抑止力
5月3日 第二十回 最後まで笑顔
4月3日 第十九回 桜を見ずに逝った人
3月1日 第十八回 うるう年の薔薇
2月1日 第十七回 奥手な女子の初バレンタイン
1月2日 第十六回 愛しの近江町市場
12月1日 第十五回 どのツラさげて
11月1日 第十四回 結婚式の思い出
10月1日 第十三回 輝きの秘密は、言わぬが華
9月1日 第十二回 魔女と仙女と魔法使い
8月1日 第十一回 去っていった古女房
7月1日 第十回 恥ずかしかった誕生日の夜
6月1日 第九回 撮影裏ばなし
5月1日 第八回 歌うシンデレラと、歌えない仙女
4月1日 第七回 台湾、満喫、満足、満腹の旅
3月1日 第六回 熟年サラリーマンのプラトニックラブ
2月1日 第五回 報われないけど、やり甲斐のある仕事
1月1日 第四回 泣きたいときは泣いてもいいのか
12月2日 第三回 持てあました、夢見る権利
10月30日 第二回 煙草とトワレ
10月1日 第一回 ヒロインはいつもリカちゃん